全世界が期待するスクウェア・エニックスのAAAタイトル『ファイナルファンタジーXVI』(FF16)が、6月22日に発売された。ライト層を強く意識した作りとなっているが、ターゲティングのミスによって、売り上げに深刻な影響が生じてしまうかもしれない。
難易度設定が“ヌルゲー”という指摘
同作は、歴史あるRPGの金字塔『ファイナルファンタジー』シリーズの最新作。召喚獣やクリスタルなど、シリーズの原点に立ち返るような設定がストーリーに導入されている。
その一方、「シリーズ初の本格アクションRPG」と銘打たれている通り、バトルシステムをスタイリッシュなアクションゲームとして構築しているのも特徴だ。『デビルメイクライ』シリーズなどを手掛けてきた鈴木良太氏がコンバットディレクターを務めており、今までに見たことがない「FF」に仕上がった。
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その正義は、何を救うのか
____本格アクションRPG
『ファイナルファンタジーXVI』6.22 #召喚獣合戦 勃発
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— FINAL FANTASY XVI (@FF16_JP) June 21, 2023
ところがそんなアクション要素が、一部のプレイヤーたちを困惑させることに。1周目のプレイではゲームの難易度が低く感じられるとして、拍子抜けする人が相次いでいるのだ。
プレイモードに「ストーリーフォーカス」と「アクションフォーカス」の2種類を用意しているほか、アクセサリーの付け替えで難易度を調整できるものの、アクションゲームが好きな層にとっては物足りないという。
ゲームメディア『IGN Japan』が公開した動画『「ファイナルファンタジーXVI」クリア後感想トーク!ネタバレなし』では、レビュアーの口から「はっきり言ってしまうと、ゲームやったことない、アクションゲームほぼプレイしたことない、できないみたいな人が対象のゲーム」「ゲーム慣れしてる人はあんまり向いてない」という言葉が飛び出していた。
誰をターゲットとしたゲームなのか…
「少なくとも1周目はやさしい難易度になっている『FF16』ですが、その理由はおそらく普段ゲームをやらないライト層を意識したためでしょうね。
ですがライト層は、基本的に口コミで流行った後にゲームをプレイするもの。ニンテンドースイッチならともかく、PS5の新作に初動から飛びつくとは思えません。
むしろ口コミを左右するのは、『FF16』を最初にプレイするゲーマーたちでしょう。そう考えると、ゲーマー向けではない難易度に設定したことが裏目に出てしまう可能性は大いにあります」(ゲーム誌ライター)
プロデューサーの吉田直樹氏は、メディアアーティスト・落合陽一氏との対談において、映画『THE FIRST SLAM DUNK』を例に出しながら、口コミの宣伝効果について熱弁していた。「FF16」についても口コミで売ることを意識しているようで、18カ月の売り上げ計画を立てているという。
「口コミでゲームを売るやり方としては、『ペルソナ』シリーズのようにライト層の獲得に振り切るか、『エルデンリング』のようにコアゲーマーを狙い撃ちにするか、2種類の戦略が考えられます。しかし『FF16』は今のところ、どっちつかずな印象を拭えませんね」(同)
「FF」ブランドの復活を賭けたスクウェア・エニックスの最新作。ゲームとしてのクオリティは間違いないので、届くべきところに届いてほしい。
文=「まいじつエンタ」編集部
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