『スト6』人気でも格闘ゲームは救えない? 失言騒動に頭を抱えるスポンサー

『スト6』人気でも格闘ゲームは救えない? 失言騒動に頭を抱えるスポンサー

『スト6』人気でも格闘ゲームは救えない? 失言騒動に頭を抱えるスポンサー (C)PIXTA

シリーズ最新作『ストリートファイター6』の大ヒットによって、格闘ゲーム界隈がこれまでにない盛り上がりを見せている。しかしそんな中で、コミュニティを牽引すべき有名格闘ゲームプレイヤーたちの失言が問題になっているようだ。

相次ぐ有名プレイヤーの不適切発言

たとえば最近は、『魚群』所属のプロゲーマー・マゴ氏の不適切発言が炎上。彼は「スト6」のDJというキャラクターについて、「やっぱDJ使うとちょっと脳に障がいが出てくるのかな」などと配信の中で発言し、SNSなどで拡散されてしまった。

批判の声が相次いだことを受け、「魚群」を運営する『TOPANGA』は謝罪文を公開。マゴ氏本人も自身のツイッターで、《不快にさせてしまった方々、ご心配をかけてしまった方々、申し訳ございませんでした。以後プロゲーマーとしての意識を高め、気をつけて活動していきます》と反省の意を伝えた。

格闘ゲーム界隈の有名人による不適切発言はこれだけではない。「ストリートファイター6」の自動実況システムを監修したeスポーツキャスター・アール氏も、「自閉症」に対する偏見を助長するような発言があったとして、問題視されている。

アール氏もこの件について謝罪ツイートを公開したが、公式リーグ「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2023」では1st Stage 第1節の実況がアール氏から変更されることになった。

格ゲーコミュニティ拡大のリスク

「ストリートファイター6」は7月7日の時点で全世界販売本数が200万本を超えるほどのヒットを記録。長らく冬の時代だった格闘ゲーム業界が、息を吹き返しつつある。しかしそこで、関係者たちの“意識の低さ”が足を引っ張っている印象だ。

「アングラの時代が長かったこともあり、格闘ゲームの世界は暴言などが日常茶飯事。“人権がない”発言のたぬかな氏を生んだのも、そうした格闘ゲーム界隈の風土でした。

『ストリートファイター6』の成功で、格闘ゲームは光が当たる世界になりつつあり、関係者たちは全力で意識を変えようとしてします。ストリーマーやVTuberとの絡みも増えるため、昔ながらの意識ではすぐに炎上してしまうでしょう。

しかし何より難しいのは、今さら風紀を正しても、過去の問題発言が掘り起こされるリスクがあること。有名プレイヤーの誰もがすねに傷をもっている状態なので、ゲームイベントの運営やプロゲーミングチームのスポンサーは、今頃頭を抱えているでしょうね…」(ゲーム業界関係者)

さらに古参格闘ゲームプレイヤーの中には、マゴ氏やアール氏の炎上について、《ただの言葉狩り》《窮屈な時代になったなぁ…》と抗議する人も少なくない。一般人との意識のギャップによって、さらなる問題を巻き起こしそうだ。

格闘ゲーム業界は、どのように炎上リスクと向き合っていくのだろうか。「ストリートファイター6」という最大の追い風が、不発に終わらなければいいのだが…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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Benzoix / PIXTA