アニメ『名探偵コナン』放送事故! 暴走アニオリ脚本にファン&主題歌アーティストが苦言

アニメ『名探偵コナン』放送事故! 暴走アニオリ脚本にファン&主題歌アーティストが苦言

『名探偵コナン』103巻(青山剛昌/小学館)

7月8日に放送された人気アニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)が、「放送事故回」だったとして話題を呼んでいる。以前から物議を醸していたアニメオリジナル脚本の暴走が加速しているようだ。

第1089話『天才レストラン』は原作が存在しない、いわゆるアニオリ回。カオスな展開を得意とする脚本家の浦沢義雄氏が、新たな迷エピソードを生んだ。

「浦沢脚本」がついにラインを超えた?

あらすじを説明すると、支離滅裂になるが、新装開店した駄菓子屋に訪れたコナンと元太が喧嘩に。その帰り道、突如として「オムライスの死体」を見たという老紳士と出会う。そして廃墟となったレストラン『聚楽大』に追い詰められると、激辛クリームソーダ水に落とされそうになる…という展開だった。

申し訳程度のミステリー要素はあったものの、最初から最後までシュールなエピソードで、結末は夢オチ。コナンたちの発言も常軌を逸しており、「もしかして、おじいさんが見たオムライスの中身ってボク?」「ようこそ地獄の特製お子様ランチワールドへ!」といったセリフが飛び交っていた。

「今や恒例となったコナンのシュールなアニオリ回ですが、今回は予想外に大きな反響を巻き起こしている模様。もはやコナン要素がほとんどなく、別作品のようになっていたからです。

ネット上では《コナンの良さを全消ししてる。流石に今回はライン超え》《スポンサーついてるのに原作バカにした番組放送してることがありえない》《キャラ設定もストーリーも意味不明。アニメオリジナルだから何やってもいいってわけじゃないんだぞ》といった批判の声が相次ぎ、テレビ局のご意見フォームに抗議を送ろうとする人まで現れていました」(アニメライター)

アニオリの質が下がった理由

さらには「名探偵コナン」の主題歌を手掛けたこともある音楽ユニット『TWO-MIX』の作曲家・永野椎菜氏が、ツイッター上で同エピソードに疑問を吐露している。

《オリジナル回でも原作が持つ世界観や質感へのリスペクトが大切だと思います》《大事なのは作品を毎週楽しみにしてる視聴者が違和感を持たない、作品世界の枠を超えない事だと思ってます》といった意見を語り、視聴者たちの賛同を集めていた。

「コナンは休載が多く、単行本の刊行ペースも落ちているので、アニメが原作に追いつかないように試行錯誤を繰り返しています。そこでアニオリ回が生み出されるワケですが、手の込んだミステリーはコストがかかるわりに、あまり話題になりません。

代わりにコスパよく数字を稼げるギャグ回が重宝されるようになりましたが、このやり方はある意味で劇薬。より話題になるように…と過激さを増していった結果、一線を踏み越えてしまったのでしょう」(同)

以前は妃英理の活躍を描いた『法廷の対決』シリーズなど、良質なアニオリ回も存在した。一度ミステリーアニメとして初心にかえることが必要なのかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ