「男優」「女優」表記はなぜ避けられる? “男女呼び分け”は性差別になるのか

(C)Dean Drobot / Shutterstock 

トレンド調査会社A社調べの高校生を対象にした芸能人アンケートが、「性差別的かも?」と物議を醸している。一方、この手の話は「くだらない」という声も後を絶たない。

いまドラマでは男優、女優と分けるのは不可で、性別に関係なく「俳優」と呼ぶ風潮がある。しかし、これには異論反論もあるようだ。

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「俳優と統一するなら、映画賞の〝男優賞〟〝女優賞〟分けは、完全に矛盾しています。

映画では分けるのに、なぜドラマでは男優、女優とするのがNGなのでしょうか。意味がわかりません」(週刊誌記者)

そんななか、7月に冒頭のA社が〝難解な表記〟のアンケートを公開。

アンケートの骨子は〝高校生が好きな男性俳優〟と〝高校生の好きな女性俳優〟というものだ。

「俳優という言葉を使わなければならないので〝男性〟や〝女性〟を語頭に付けたのでしょう。

そんな回りくどい言い方をしなくても男性俳優なら〝男優〟と呼び、女性俳優なら〝女優〟でいいじゃないですか。

わざわざ性別を語頭に付けるのは不可解です」(同・記者)

日本独自の言語文化に照らし合わせると…

もっと簡単にいえば、言語学的には男性俳優、女性俳優と呼ぶより、「男優」「女優」という呼び方のほうが理にかなっているという。

「日本人は母国語(日本語)を短縮してしゃべる傾向があります。

たとえば、その典型はスマートフォンです。スマートフォンがいつのまにかスマホになった。

さらに『うまい!』は『うま!』で通じるし、パーティーピープルを『パリピ』にする。

世界ではまったく通用しないし、スラングとは違う日本独自の言語文化です。

というわけで、男性俳優、女性俳優とわざわざ呼ぶより、日本人の縮語感覚からいうと〝男優〟〝女優〟が正解でしょう」(言語学教員)

ちなみに、A誌のおこなった〝高校生が好きな男性俳優〟アンケートの結果は1位・平野紫耀、2位・吉沢亮、3位が『Snow Man』目黒蓮だった。

日本が誇る男性俳優になれるよう、頑張ってほしいものだ。

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