「呪術廻戦しか読むものない」ジャンプ看板漫画の休載ラッシュに悲鳴

「呪術廻戦しか読むものない」ジャンプ看板漫画の休載ラッシュに悲鳴

「呪術廻戦しか読むものない」ジャンプ看板漫画の休載ラッシュに悲鳴 (C)PIXTA

7月31日発売の『週刊少年ジャンプ』35号では、同誌の看板とされている漫画が“ほぼ全滅”する異常な光景が発生してしまった。これまでにない休載ラッシュに、読者からは「呪術廻戦しか読むものない」という声すら上がっている。

掲載上位陣のほとんどが休載

「ジャンプ」35号で休載となった作品は、『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』『ブラッククローバー』。昨年から連載休止中の『ルリドラゴン』を含めれば、4作品が同時休載となっている。

31号でも同じ4作品が休載していたが、この号ではアニメ化もされた人気漫画『マッシュル-MASHLE-』がまだ掲載されていた。しかし同号で完結を迎えたため、最新号に「マッシュル」は掲載されていない。

その分、最新号では新人漫画家・平たくみによる読み切り『忍CHAOTIC』がセンターカラー47ページで掲載されているものの、やはり長年「ジャンプ」を読んでいる読者にとっては、寂しい誌面だったのだろう。

SNSなどの感想では、《今週号のジャンプ悲惨すぎる》《なんの味もしない》《物足りないと思ったらワンピースに加えてヒロアカとブラッククローバーもなかったのか》といった声が続出。

さらには、《ワンピとヒロアカが休載だから、今週のジャンプは買いません》と不買宣言をする人まで現れていた。

次世代の「ジャンプ」を支えるのは?

近頃の「ジャンプ」では、「ONE PIECE」を筆頭とした看板クラスの作品が、不定期で休載をとることでお馴染み。ただ、逆に言えば、中堅以下の連載陣はほとんど毎週掲載となっている。

それでも読者の不満が溜まっているのは、存在感のある新連載や新たなヒット作が少ないためだろう。

そんななか、次世代を担うかもしれない新連載としては、「ジャンプ」編集部の浅井氏が担当した作品群が注目を浴びている。浅井氏は『鬼滅の刃』終盤の担当編集者だったことで知られており、「マッシュル」の立ち上げ人でもあった。

浅井氏が立ち上げた新連載としては、5月15日発売号から始まった『鵺の陰陽師』がその筆頭であり、12話にしてセンターカラーを獲得するほどの人気を博している。また、確定情報ではないが、8話でセンターカラーを獲得した注目『アスミカケル』も、浅井氏の立ち上げた作品というウワサだ。

そして最新号に掲載された読み切り「忍CHAOTIC」も、浅井氏の担当作品だが、読者の間で好評を呼んでいる。

浅井担当作品以外にも、人気小説家・西尾維新が原作を手掛ける『暗号学園のいろは』がブレイクの兆しを見せており、ひそかに中堅以下の層が厚くなりつつある印象。ここにきて世代交代の機運が高まる「ジャンプ」だが、看板クラスの作品を育てることはできるだろうか。

文=野木

【画像】

master1305 / PIXTA