『ブルーアーカイブ』が次世代のFGOに!? 勝因は奈須きのこリスペクトの物語

『ブルーアーカイブ』が次世代のFGOに!? 勝因は奈須きのこリスペクトの物語

『ブルーアーカイブ』が次世代のFGOに!? 勝因は奈須きのこリスペクトの物語 (C)PIXTA

激しい覇権争いが続くソーシャルゲーム業界で、『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』(ブルアカ)の躍進が止まらない。『Fate/Grand Order』(FGO)を超えてセールスランキング1位を奪い取る日もあり、“次世代のFGO”として注目が集まっている。

難攻不落の『FGO』アニバが敗北!?

「ブルアカ」は、『Yostar』が運営するスマートフォン向けRPG。透明感のある女性キャラたちのビジュアルもさることながら、シナリオの完成度も高く評価されてきた。

そんな同作では先日から、2.5周年を記念して「ハナコ(水着)」と「ワカモ」の限定ピックアップなどを実装。多くのユーザーがガチャを回したのか、『Apple Store』のアプリを対象に集計された8月2日のセールスランキングのデータで、1位を獲得した。

そして奇しくも、同日のランキングで2位に付けていたのは、あの『FGO』だった。同作も現在、8周年を記念したイベントを行っており、トネリコというキャラのピックアップ召喚などを実装したばかりだ。

「トネリコがストーリー的にも重要なキャラクターということもあり、ここ数日は『FGO』のセルラン1位独占状態が続いていました。むしろこの数年のうちで、アニバ期間中の『FGO』が負けたことはほぼなかったと記憶しています」(ゲーム誌ライター)

つまり難攻不落の『FGO』アニバーサリーイベントを、「ブルアカ」が真正面から破った形となる。この結果にはソシャゲユーザーたちも、思わず舌を巻いているようだ。

ソシャゲにおける“テキスト”の価値

ここ数年のソシャゲ界隈では、『原神』のようにゲームとしての面白さを追求したタイトルが好調だ。しかしその一方、ストーリーやテキストの完成度で勝負するタイトルも勢いがある。

「FGO」がリリースから8年が経った今、ますます熱狂的な人気を博しているのも、そうした事情が関係している。同作は「Fate」シリーズの生みの親として知られる有名シナリオライター・奈須きのこ氏のストーリーとブランド力で、人気を博してきた。

他方で現在ブレイクを迎えた「ブルアカ」も、「FGO」と同じくシナリオに力を入れたタイトルだ。

「『ブルアカ』のシナリオライターは、以前から奈須きのこ氏や『TYPE-MOON』作品へのリスペクトを公言していました。美少女ゲームの黎明期から受け継がれてきた、いわゆる日本の“オタク文化”への造詣が深いところも、『ブルアカ』が成功した理由かもしれません」(同)

その一方で最近苦境に立たされているのが、『ウマ娘 プリティーダービー』に代表される『Cygames』関連のゲーム。「ウマ娘」もストーリーがそこそこ評価されているゲームではあったが、「ブルアカ」や「FGO」ほど際立ってはいない。

いわゆる萌えソシャゲと呼ばれるジャンルでは、「ブルアカ」が覇権を握りそうな気配。「ウマ娘」はこの競争で追い込みをかけることができるだろうか。

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nikkimeel / PIXTA