にじさんじVTuberも落胆? パワプロ『栄冠ナイン』唯一の不評要素

にじさんじVTuberも落胆? パワプロ『栄冠ナイン』唯一の不評要素

にじさんじVTuberも落胆? パワプロ『栄冠ナイン』唯一の不評要素 (C)PIXTA

毎年恒例、『にじさんじ』のVTuberたちによる大型企画『にじさんじ甲子園2023』が熱狂的な盛り上がりを見せている。企画の肝となっているのは、『パワプロ』シリーズのファンに愛されてきた人気モード『栄冠ナイン』だ。しかし、そんな「栄冠ナイン」に、とある致命的な欠陥が存在するという。

勝っても“赤特”が付いてしまう謎仕様

「栄冠ナイン」はプレイヤーが高校野球部の監督となり、選手たちを育成しながら強いチームを作っていくモード。県大会から勝ち進み、甲子園優勝を目指していく仕組みで、やみつきになるゲーム性が評価されている。

しかし「栄冠ナイン」が実装されてから現在まで、多くのプレイヤーに“悪い要素”として指摘されてきた点がある。別の高校との試合に勝利した際、なぜかマイナスの特殊能力がついてしまうことがあるのだ。

試合に勝利すると、ステータスの上昇や特殊能力の獲得といった恩恵を得られるシステムであり、高校球児たちの成長を疑似的に再現しているのが特徴。ところが、エラーしやすくなったり、チャンスに弱くなったりといった、通称「赤特」と呼ばれる負の特殊能力がついてしまい、強くなるどころか大幅に弱体化することもある。

「にじさんじ甲子園2023」では、人気ライバーたちが“監督”として自チームの選手たちの育成に励んでいたが、そこでもしばしばこの仕組みが仇に。甲子園で熱戦の末勝利して喜ぶべき時に、試合後の「赤特」が水を差して素直に喜べない場面が何度もあった。

プレイヤーへの“報酬”の大切さ

せっかく勝ったのにもかかわらず、プレイヤーにとってマイナスのことが起こってしまうのは、ゲーム作りとしてあまりに不可解。「栄冠ナイン」を愛するパワプロファンのなかには、この部分だけは直してほしいと感じる人も多い。

「ゲーム制作において、“良い結果”に“悪い報酬”をくっつけるようなことは基本的に避けられていますね。たとえばRPGでせっかく敵に勝利したのに、キャラクターが強くなるどころか、逆に弱くなってしまうリスクがあれば、多くのプレイヤーはゲームを続ける気力を削がれてしまうでしょう。

有名なのが『ファイナルファンタジーVIII』(FF8)のシステムです。レベルを上げるとその分敵も強くなるため、戦闘の勝利が報酬になっていないという点で賛否を呼んでいました」(ゲームライター)

ゲームにおける“報酬”の大切さについては、『星のカービィ』シリーズや『スマブラ』シリーズなどの生みの親として知られる桜井政博氏も、自身のYouTubeチャンネルの動画などで力説していた。

いわくプレイヤーの「ゲームを進めるための欲求の源」になり、ゲームの骨組みが出来たら真っ先に考えるべきポイントであるという。

今年9月には、「栄冠ナイン」に特化したスマートフォン向けアプリ『パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード』がリリース予定。長年放置されてきた謎仕様が、不安要素になるかもしれない。

文=大上賢一

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