ジャンプ『一ノ瀬家の大罪』も打ち切り濃厚か…なぜか本誌で成功できないジャンプラ作家たち

ジャンプ『一ノ瀬家の大罪』も打ち切り濃厚か…なぜか本誌で成功できないジャンプラ作家たち

ジャンプ『一ノ瀬家の大罪』も打ち切り濃厚か…なぜか本誌で成功できないジャンプラ作家たち (C)PIXTA

『タコピーの原罪』の作者・タイザン5が『週刊少年ジャンプ』で連載しているファミリーサスペンス漫画『一ノ瀬家の大罪』。連載が始まった当初は大きな注目を集めていたが、ここにきて打ち切り疑惑が囁かれている。なぜ『少年ジャンプ+』から移籍してきた作家は、ことごとく本誌で成功できないのだろうか。

「次にくるマンガ」になれなかった新連載

「一ノ瀬家の大罪」は「ジャンプ」2022年50号から連載が始まった作品。事故で記憶を失ってしまった家族が、記憶を取り戻すための日々を送るのだが、その裏には複雑な家庭事情が隠されていた。

「タコピーの原罪」を思わせる衝撃のどんでん返しと、闇が深い家族たちの心理描写。タイザン5らしい作風で、序盤は好評を呼んでいたのだが、その後「ジャンプ」内の掲載順が急激に低迷していった。現在は巻末もしくは巻末から1つ前に掲載されることがほとんどだ。

そんななか、10月30日発売の「ジャンプ」48号に掲載された最新話では、最終ページに「次週、クライマックス!」との煽りが登場。近いうちに完結、もとい打ち切りを迎えるのではないかと予想されている。

同作は今年8月に発表された『次にくるマンガ大賞2023』で、コミックス部門の第3位にランクインしたばかり。しかしこの賞の時点ですでにストーリーの迷走が賛否両論を招いており、打ち切りを不安視されていた。

そのため打ち切りを匂わせる“クライマックス”の予告に対しても、読者のあいだでは納得の声が多く上がっているようだ。

次々と迷走していくジャンプラ作家たち

タイザン5は「タコピーの原罪」という大ヒット作を掲げ、「ジャンプ+」から本誌へと移籍してきた期待の作家だった。同じように移籍に失敗してしまった“ジャンプラ作家”は他にも多い。

たとえばアニメ化もされた『地獄楽』の作者・賀来ゆうじは、2021年50号から和風ダークファンタジーのバトル漫画『アヤシモン』を連載。『チェンソーマン』の藤本タツキや『ダンダダン』の龍幸伸から応援イラストを寄せられていたが、2022年26号に連載終了を迎えた。

また、『ONE PIECE』のスピンオフ『恋するワンピース』で一躍ブレイクした伊原大貴は、2021年51号から2022年27号にかけて『守れ!しゅごまる』を連載した。伊原は連載終了後、自身のXにて打ち切りについてコメントを投稿。《勿論全部自分が悪いです》と断りつつ、《色んなものに左右》された結果であることを匂わせ、《しゅごまるが伊原の100%だと思われてしまう事がとても悔しいです》という心情を吐露していた。

ほかにも『ミタマセキュ霊ティ』の鳩胸つるんなども、同様に本誌で打ち切りとなったジャンプラ作家の1人と言えるだろう。編集部の体制が違うことや、Web漫画アプリと紙の週刊雑誌という媒体の違いなどが、彼らの成否を左右しているのかもしれない。

ただ、厳密に見ていけば『チェンソーマン』の藤本タツキや『ぼくたちは勉強ができない』の筒井大志など、本誌移籍の成功例も少なくない。むしろ打率で計算すれば、ジャンプラ作家は十分成績を残しているとも言えるだろう。

「本誌で『ジャンプ+』の作家は通用しない」というジンクスが定着するかどうかは、今後の作家たちの頑張りにかかっていそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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