『【推しの子】』キッズ狙い撃ち? 動画工房の新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』の挑戦

『【推しの子】』キッズ狙い撃ち? 動画工房の新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』の挑戦

『【推しの子】』キッズ狙い撃ち? 動画工房の新作アニメ『夜のクラゲは泳げない』の挑戦 (C)PIXTA

人気アニメ制作会社・動画工房によるオリジナルアニメ『夜のクラゲは泳げない』の第1弾PVが11月1日に公開された。VTuberに元アイドル、イラストレーターなど、現代的な設定が盛り込まれた作品に、期待の声が高まっている。

はみ出し者の少女たちの物語

同作は2024年にTOKYO MXほかで放送される予定の新作アニメ。メインキャストには伊藤美来に高橋李依、富田美憂、島袋美由利といった今を時めく声優が勢ぞろい。また監督は竹下良平、シリーズ構成・脚本はライトノベル『弱キャラ友崎くん』の作者・屋久ユウキが担当する。

ストーリーの詳細はまだ明らかになっていないが、創作に初めて触れる少女たちの「匿名クリエイティブ活動」を描いたものとなる模様。活動休止中のイラストレーターや元アイドル、自称最強VTuber、謎の作曲家といった個性的なキャラクターたちが登場するという。

また、第1弾PVではポップな映像とともに、「自分の“好き”を見つけたい」「“誰か”みたいに輝きたい」「世界から少しだけはみ出した少女たち」といったテロップが映し出されていた。

なお今年3月に公開された監督と脚本家のコメントでは、いずれもSNS全盛の時代を意識した現代劇となることが予告されていた。動画工房といえば、同じSNSを意識した『【推しの子】』を大ヒットさせたばかりだが、はやくも次なる成功作を生み出すかもしれない。

“オタク受け”だけではヒットしない現状

「『【推しの子】』の放送期間は今年4月~6月で、『夜のクラゲは泳げない』の情報自体はその少し前から出ていました。そのため二匹目のどじょうを狙ったわけではないのでしょうが、方向性はかなり似ていますね。

『【推しの子】』はオタク層にはそこまで刺さる作品ではありませんでしたが、YOASOBIの『アイドル』がSNSでバズったことの影響もあり、Z世代から絶大な支持を集めました。同作にかぎらず、最近のアニメはオタク層に受けるだけでは大ヒットにつながりにくい風潮があるのはたしかでしょう。

『夜のクラゲは泳げない』もVTuberや元アイドルなどを登場させることで、Z世代を意識した設定になっていますね。さすがの嗅覚と言わざるを得ません」(アニメ誌ライター)

他方で、『夜のクラゲは泳げない』はアニメファンに受けそうな要素も盛り込まれているという。

「音楽で自己表現する少女というテーマでいえば、『ぼっち・ざ・ろっく!』に通じるところがあるのではないでしょうか。また少女たちの関係性にスポットを当てるのは、『リコリス・リコイル』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』といった最近のオリジナルアニメのヒット作と共通しています」(同)

唯一の懸念は、よく似た作品の“二番煎じ”で終わってしまう可能性だが、その点は動画工房のスタッフたちの力量に期待しよう。

文=「まいじつエンタ」編集部

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