『ONE PIECE』再アニメ化で“ウタ”がメインヒロインに!?「東の海編」が改変される可能性

『ONE PIECE』再アニメ化で“ウタ”がメインヒロインに!?「東の海編」が改変される可能性

『ONE PIECE』107巻(尾田栄一郎/集英社)

尾田栄一郎の人気漫画『ONE PIECE』が、最初のエピソードである「東の海編」から再アニメ化されることが決定し、大きな話題を呼んでいる。ほとんどは好意的な反応のように見えるが、一部では原作改変を懸念する声も上がっているようだ。

ウタが序盤から登場する布石か

12月17日に開催された『ジャンプフェスタ2024』の情報によると、新アニメは『THE ONE PIECE』と題されており、東映アニメーションに変わってWIT STUDIOが制作を担当するとのこと。最新の映像技術によって、あらためてルフィたちの冒険が描きなおされるという。

まだ企画の全貌は明らかになっておらず、原作をそのままアニメ化するのか、ある程度アレンジするのかどうかも分かっていない。しかし一部のファンからは、すでに《再アニメ化ってウタを強引にねじ込んでくるための方便じゃん》《ウタを登場させる改悪はしてほしくない》といった声が…。

『ONE PIECE』では序盤のストーリーに後から重要な設定が付け加えられることが多く、ルフィの出自や旅立ちをめぐるエピソードも例外ではない。その1つがウタの存在で、ルフィがフーシャ村にいた頃、シャンクスたちの仲間だったウタと幼馴染み的な関係だったことが最近になって判明した。

この設定は『ONE PIECE FILM RED』をきっかけに生まれたものではあるが、東映アニメーションによるアニメ版では第1029話『淡い記憶 ルフィと赤髪の娘ウタ』で本編から13年前の過去が取り上げられ、幼い頃のルフィとウタの関係がしっかり描写されている。

また、原作本編においても第1055話でシャンクスが“新時代”の兆しを連想する際、ウタのものと思われるシルエットが描かれていた。

『ONE PIECE FILM RED』の副音声でも、尾田栄一郎はウタをめぐるエピソードが『ONE PIECE』の世界線で起きたことだと認めているため、少なくともフーシャ村での出来事は“正史”ではないかと言われている。

ルフィの過去はどこまで変わるのか

「後にいろいろな設定が追加されたこともあり、今『ONE PIECE』を見返すと、やはり序盤の描写には違和感がある部分が多くあります。今回あらためてアニメを作り直すということは、そうした違和感が生じないように整合性を取るという狙いがあるのかもしれません。

とくにウタについては“後付け設定”として批判する人も多くいたため、最初からルフィの幼少期を描く際に存在を匂わせる形にするのではないでしょうか。

ルフィは序盤で、グランドラインに入る前には必要なポジションがあるとして、“音楽家”を仲間にすることが必須だと語っていました。なぜ音楽家なのか、不可解な描写でしたが、これも幼少期に出会ったウタの影響ということにすれば、辻褄が合うでしょう」(アニメ誌ライター)

ほかにも、ルフィの義兄弟だったことが途中で判明したサボや、『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のオリキャラでありながら重要な存在となった金獅子のシキなど、さまざまな登場人物をめぐって原作改変の可能性があり得そうだ。

問題は、ウタを原作の世界線につなげることに拒否感を占めす人がいることだが、そこは尾田栄一郎の手腕があればどうにでも解決できるはず。原作ファンを唸らせる新アニメの完成を期待したい。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ