2023秋アニメで“珍事件”が多発!? 不謹慎すぎるビッグウェーブや時代に逆行する薄毛イジリ

2023秋アニメで“珍事件”が多発!? 不謹慎すぎるビッグウェーブや時代に逆行する薄毛イジリ

2023秋アニメで“珍事件”が多発!? 不謹慎すぎるビッグウェーブや時代に逆行する薄毛イジリ (C)PIXTA

2023年の秋アニメは近年稀にみる豊作で、『葬送のフリーレン』を筆頭として、多くの話題作が集結していた。しかしそのなかには、アニメとしての面白さとは別の部分で注目を集めてしまった作品も…。今回は同シーズンに巻き起こった“珍事件”の数々を振り返っていく。

不謹慎な奇跡が発生『ティアムーン帝国物語』

『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』は、断頭台で処刑された皇女・ミーアが12歳の頃にタイプスリップし、人生をやりなおしていく物語。その第9話にて、制作陣が青ざめてしまいそうな珍事件が発生した。

この回では、やることなすこと好調となっていたミーアが調子に乗り、「まさにビッグウェーブが到来していますわ~」と心の中でガッツポーズを決める。その背景には、心境を表すかのごとく大きな波が描かれていた。

しかしこの回がTOKYO MXで放送された12月2日深夜は、奇しくもフィリピンで大地震が発生していた。そのためちょうどビッグウェーブのシーンで津波注意報のテロップが表示されてしまったのだ。

不幸中の幸いというべきか、日本では津波による大きな被害は発生しなかったので、関係者はホッと胸をなでおろしたことだろう。

薄毛イジリで物議を醸した『ブルバスター』

何かとコンプライアンスが厳しい昨今、アニメ作品も表現に対する配慮が行われるようになっている。とくに容姿イジリなどはご法度とされることが多いが、そんなご時世のなかでSFロボットアニメ『ブルバスター』は“薄毛イジリ回”を放送した。

そもそも物語の中心となる害虫駆除会社「波止工業」には、片岡金太郎や武藤銀之助といった薄毛キャラクターが登場しているが、問題となった第11話では執拗に薄毛ネタが展開。金太郎が整えた髪を振り乱して頭頂部をあらわにしたり、薄毛キャラたちの頭皮を過剰に光らせたりと、ある意味攻めた表現のオンパレードだった。

また薄毛治療薬をめぐるエピソードが展開されていたことも、どこか時間錯誤で、視聴者に“昭和っぽい”印象を抱かせてしまった原因のようだ。さらにストーリー全体として、尺不足が囁かれている状況だったため、《終盤にわざわざやる話だったのか?》という冷静なツッコミまで浴びてしまった。

超展開で物議を醸した『16bitセンセーション』

『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』は、みつみ美里や甘露樹、若木民喜が参加した同人誌を原作としたアニメ。内容としては完全オリジナルストーリーとなっており、1990年代の秋葉原や美少女ゲーム文化を取り上げたノスタルジー満載の作品だった。

序盤では、イラストレーター・秋里コノハが1990年代にタイムリープし、そこで出会った人物たちと共に美少女ゲーム業界に大旋風を巻き起こす…という展開が繰り広げられることに。秋葉原の光景をリアルに再現するだけでなく、当時の人々のしゃべり方まで再現しようとするほど、徹底的なこだわりに満ちていた。

ところが物語が進むにつれて、雰囲気が一変。タイムリープの影響によって時代が変わるなど、SF的な要素が強調されていく。とりわけ第12話では、ゲーム制作のためにクリエイターだった人間をAIに直接接続して利用するという陰謀が明らかになった上、UFOと思わしき未確認飛行物体の降臨までもが描かれた。

ノスタルジックな雰囲気を楽しんでいた視聴者は、思わず戸惑ってしまったようで、《いつの間にか超展開SFアニメになってた》《超展開でわけがわからない。普通にゲームを作ってほしかった…》と賛否両論が飛び交っている。

ほかにも、人気ライトノベルを原作とした『豚のレバーは加熱しろ』は、第9話が“作画崩壊回”として話題に。あまりに作画クオリティが不安定だったため、主人公の豚が動くシーンが《まるでホバー移動みたい》と揶揄されていた。ただ、日本のアニメ業界で作画崩壊は今さら珍しい話でもないので、わざわざ取り上げるまでもないだろう。

2024年1月からは冬アニメがスタートする予定だが、すべての作品が穏便に放送されることを祈るばかりだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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Ivan Moreno sl / PIXTA