『ポケモンSV』有料DLCで“増殖バグ”が発見され大荒れ…昨年には海外プロゲーマーの衝撃告白も

『ポケモンSV』有料DLCで“増殖バグ”が発見され大荒れ…昨年には海外プロゲーマーの衝撃告白も

『ポケモンSV』有料DLCで“増殖バグ”が発見され大荒れ…昨年には海外プロゲーマーの衝撃告白も (C)PIXTA

ニンテンドースイッチ向けソフト『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(ポケモンSV)にて、ポケモンやアイテムを無限に増殖させられる“バグ”の存在が発覚。ユーザーたちのあいだで大きな波紋を巻き起こしている。

メタモンとドーブルを悪用したバグ

そのバグが発見されたのは、昨年12月に配信された有料ダウンロードコンテンツ「ゼロの秘宝」の後編・藍の円盤でのこと。新たに実装されたブルーベリー学園の「テラリウムドーム」にあるサバンナエリアにて、野生のドーブルにメタモンの「へんしん」を覚えさせた上、とある操作を行うことで、条件を満たせるという。

このバグを使うことで、手持ちに存在する好きなポケモンを増殖させたり、アイテムを増加させたりすることができる仕組みだ。もちろん不正行為の一種なので、多くのユーザーが注意喚起を行っている。

「ユーザーのあいだでは、増殖ポケモンが交換によって流通することが危惧されています。バグを利用して生み出された以上、“改造個体”の一種とも言えるため、知らずに使っていて公式に不正行為と見なされてしまうリスクがあるのです。

さらに問題なのは、増殖バグによって生まれたポケモンなのかどうかを見分ける方法がほとんどないこと。この方法で増殖させたポケモンは産地がテラリウムドーム内になるため、その点を手掛かりに識別するしかありません」(ゲームライター)

不正行為との戦いだったポケモンの歴史

ポケモンの増殖バグが発見されたのは、『ポケモンSV』が初めてではなく、たとえばアイテムの無限増殖に関しては初代『ポケットモンスター 赤・緑』から存在した。これは通称「セレクトバグ」と呼ばれる方法で、ポケモンの技やレベルなども操作できるものだった。

また『ポケットモンスター ルビー・サファイア』では、バトルタワーでいわゆる“6V”の個体値が高いポケモンを入手できる「タワーバグ」と呼ばれる裏技がよく知られている。良心的なユーザーは、はるか昔から“バグの悪用”と戦ってきたと言えるだろう。

ちなみに昨年には、海外の「ポケモン」プロゲーマーたちが常習的に改造個体を使っていることが物議を醸したばかりだ。

まず「ポケモン」の世界大会である『ポケモンワールドチャンピオンシップス2023』(WCS2023)にて、不正入手したポケモンを使っていた選手たちが多数失格扱いになるという騒動が勃発。

その後、失格者の1人であるBrady Smith氏が『Gameland.gg』という海外メディアでインタビューを受け、トッププロの80~90%が改造またはハッキングを活用していることを暴露。これは業界内では暗黙の了解となっているという。

改造個体が実際の対戦で有利になるわけではないものの、理想の個体を入手するまでの手間を大幅に減らせることから、大きな議論を巻き起こしていた。

おそらく今後も、「ポケモン」界隈ではバグをめぐる論争がなくなることはなさそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

master1305 / PIXTA