『チェンソーマン』第2部で大失速? 検索サジェストで「つまらない」が出る理由

『チェンソーマン』第2部で大失速? 検索サジェストで「つまらない」が出る理由

『チェンソーマン』第2部で大失速? 検索サジェストで「つまらない」が出る理由 (C)PIXTA

2021年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『チェンソーマン』第1部は、さまざまな層から絶賛される大人気作品だった。その一方、現在『少年ジャンプ+』で連載中の第2部「学園編」は読者からの評価が大きく分かれている。

同じ作者が生み出した作品にもかかわらず、なぜ世間の評判に差が生まれているのだろうか…。

【関連】ジャンプ新連載が『僕とロボコ』と丸被り!「大事故してて爆笑」「これは確信犯」 ほか

バトルシーンの迫力が減った?

第1部「公安編」で描かれたのは、チェンソーの悪魔に変身する力を手に入れた主人公のデンジが、数々の悪魔と闘うストーリー。そして第2部「学園編」では、「戦争の悪魔」と契約した少女・三鷹アサをメインに、デンジとの交流や新たな悪魔との闘いが描かれている。

主人公は交代しているものの、世界観などは共通しており、作者・藤本タツキらしい読者の意表をつく展開が多いところも第1部からは変わっていない。

しかし1部のファンだった読者たちの間では、2部を酷評している人も少なくない。Google検索のサジェストで「つまらない」と表示されてしまうほど、賛否両論を招いているのだ。

とくに苦言が目立っているのは、物語ではなく作画の面。少年漫画の肝とも言える戦闘シーンに迫力が欠けているとして、《明らかに作画のクオリティが下がってる》《2部の作画で1部やってたらそもそも話題にすらなってなさそう》などと指摘されている。

その理由として浮上しているのが、高い画力をもつ“有能アシスタント”の龍幸伸が離脱したことだ。

龍は「チェンソーマン」1部でメインアシスタントを務めていた人物だが、2部には参加していない。現在は「ジャンプ+」で連載中のオカルトバトル漫画『ダンダダン』にて、その超画力を見せつけている。

歴代アシスタントたちが売れっ子漫画家に

実は「チェンソーマン」以前にも、藤本の作品には実力派のアシスタントがついていた。

いまだにカルト的な人気を誇る初連載作品『ファイアパンチ』では、『地獄楽』の作者・賀来ゆうじ。そして世間に激震を与えた読み切り『ルックバック』では、「トーチweb」で活躍するガロ系作家の川勝徳重がアシスタントを務めていた。いずれも高い画力をもつ漫画家たちだ。

これまでの作品で“味のある絵”が生まれていたのは、そうした有能なアシスタントの力も大きいのかもしれない。

とはいえ漫画の制作工程では、ネームの段階でアシスタントが関わることはなく、主要人物の作画も基本的には漫画家自身が行うものだ。アシスタントの力量に左右されるのは、あくまで背景や作画の仕上げにかかわる部分だと思われる。

そう考えると、「チェンソーマン」の2部で迫力が失われたと言われているのは、また別の事情が関わっているのかもしれない。

読み切りの「ルックバック」や『さよなら絵梨』では重厚な人間ドラマを描いていたため、そもそも藤本のなかでバトル漫画のモチベーションが下がっている可能性もあるだろう。

1人の少女の内面を描いた人間ドラマとして、「チェンソーマン」2部を再評価することもできるのではないだろうか。

文=大獄貴司

【画像】

1STart / PIXTA

【あわせて読みたい】