アニメ『ひげひろ』に賛否… なぜ「オッサンと女子高生の恋愛作品」が増えたのか

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2021年4月、サブカルチャー業界のトレンドが動いた。アニメやライトノベルの主人公といえば少年少女がお決まりだったが、ここ最近では社会人と女子高生の恋愛模様を描いた作品が急増しているのだ。

今まで日の目を見ることがなかった社会人×女子高生という組み合わせだが、4月5日から人気ライトノベルを原作としたアニメ『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』(TOKYO MXほか)の放送がスタート。同作は、家出した女子高生と26歳のサラリーマンが同居生活を繰り広げる…という内容だ。

春アニメにおいて社会人と女子高生の恋愛を描いた作品は、同作だけではない。イラスト投稿サイト「pixiv」の作品を原作とする『恋と呼ぶには気持ち悪い』(TOKYO MXほか)では、27歳のエリートサラリーマンと17歳の女子高生がドタバタラブコメディーを繰り広げていく。

急増する社会人と女子高生の歳の差恋愛に、拒絶反応を示すアニメファンも多いようだ。とくに「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」にはいわゆるフェミニズム的な意見だけでなく、男性視聴者からの批判も寄せられている。女子高生が見ず知らずの成人男性と同居するという展開に対して、ネット上では《これは創作のアニメということになっていますが、主人公の男性のやってることがアウトです》《初っ端からド犯罪でビビった》《もう少し犯罪してる意識は持つべきだと思う。なんでこんなにオープンなのか不思議やわ…》《犯罪者のおっさんが偉そうに説教とポエムを垂れ流してて意味がわからない》といった声が上がっていた。

原因は“オタクの高齢化”にあり?

今期のアニメだけでなく、ここ最近では「社会人と女子高生の恋愛もの」自体が1つのジャンルとして定着しつつある。その背景としては、アニメなどを好むオタクの年齢層が上がったことが大きな原因となっているかもしれない。

というのも1990年代に過熱した「萌え文化」を消費していた若者は、今や30代以上の中年に差し掛かっている。そうした人々にとっては青臭い男子高校生よりも、社会人男性の方が感情移入しやすいはずだ。

またひと昔前に比べると、若年層の絶対数が減っているため、中年のオタクに向けた作品を作った方が売上につながりやすいという事情もある。商業的な思惑によって、現代社会ではタブーとなっている社会人×女子高生の恋愛ファンタジーが供給されているのだろう。

なにより問題は主人公が歳を重ねているのに、ヒロインは女子高生のままというギャップにありそうだが…。こうした歪な関係性にこそ、現実に疲れたオタクたちの願望が映し出されているのかもしれない。

文=大上賢一

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