8回2アウトから3人の投手を起用! 原辰徳監督の“神采配”が意味したものは…

原辰徳 

原辰徳  (C)まいじつ 

巨人・原辰徳監督の采配がファンの批判を浴びている。

7月11日の対広島戦、巨人は4-0で見事に勝利した。先発の山﨑伊織は、8回途中まで投げて無失点と、好調・広島打線をまったく寄せ付けない好投を見せる。

問題の采配はこの8回表、あとワンアウトで交代という場面で原監督が行った継投策だ。

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二死一塁で左打ちの秋山翔吾を迎えた原監督は、ピッチャーを左の高梨雄平にスイッチ。ここで二塁打を浴びて二死二・三塁とすると、代打・デビッドソンを見て今度は鈴木康平に投手を交代する。

鈴木がこのピンチを三振で見事に切り抜けると、最終回は中川皓太を送って試合を締めた。

しかしこの采配、ネット上では、疑問や批判が噴出していた。主な要因は、4点リードの場面でわざわざ高梨をワンポイント登板させたことだ。

続く鈴木も打者1人のワンポイントとなり、8回二死から3人もの投手を注ぎ込んだことで、いたずらに投手を消耗しているとの意見が見受けられた。

だがよく考えれば、これはまったく突飛でも無策でもない。むしろ、3位の奪取に本気な原監督の〝執念〟が滲んだ、意識改革も考えた采配だったのだ。

山﨑の疲労と選手への鼓舞を考慮した原監督

ネット上には山﨑の完投や8回投げ切りを望む声もあったが、球数は100球を超えていたし、ひとつの目安として交代するのは何ら不思議ではない。

17日には、前半最終戦の対ヤクルト戦に先発する可能性もあり、中5日とタイトな登板感覚になることを踏まえると、疲労面で極めて真っ当な判断だろう。

ワンポイント登板にしても、左の秋山だから左の高梨、右のデビッドソンだから右の鈴木を当てたまでのこと。

ネット上には「理解に苦しむ」などといった反応が噴出したが、ワンポイントなのだから打者1人で交代することは理解できるだろう。

また、今月はオールスター前のため日程が不規則であり、14日と18~21日は休養に当てられる。6連戦の初日ならまだしも、戦力を投入する余裕もあった。

そして、この継投最大の意味は、〝総力戦〟をアピールすることにある。現在、チームはAクラスをめぐって広島と激しく争っており、直接対決はひとつも落とすことができない。

戦力を投入すれば「原監督はこのカードを本気で獲りに行っているんだ」とのアピールになり、選手の鼓舞にも繋がる。

こうした勝利への〝執念〟を見せ、チームの意識を変えるためにも、原監督の継投策は必要だったと言えるのだ。批判しているファンは、単に原監督を批判したいだけだろう。

さすがは選手のモチベーターとして高い評価を受ける原監督だ。

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