ジャンプが中年オタク向け雑誌に…“女子高生萌え”がないとヒットしない現状

ジャンプが中年オタク向け雑誌に…“女子高生萌え”がないとヒットしない現状

ジャンプが中年オタク向け雑誌に…“女子高生萌え”がないとヒットしない現状 (C)PIXTA

少年漫画界の王様として、長年にわたって存在感を示してきた『週刊少年ジャンプ』。友情・努力・勝利をスローガンとした硬派な作品のイメージがあるが、最近ではそこに「女子高生」という4つめの要素が加わったらしい。

萌え漫画雑誌としての「ジャンプ」

「ジャンプ」の方向性がいかに変わったのか、連載ラインナップを見ると一目瞭然。なぜか“少年漫画”にもかかわらず、女子高生がメインキャラとして登場する作品がいくつも存在するのだ。

今年2月から始まった『あかね噺』は、落語家を目指す17歳の女子高生・朱音の活躍を描いたストーリー。また新連載の『ルリドラゴン』も、主人公は女子高生。“ドラゴンの娘”という特異体質ではあるが、現状バトル展開はなく、同じ年頃の女の子たちとのほのぼのとしたスクールライフが描かれている。

主人公ではなくメインキャラという括りでいうと、『ウィッチウォッチ』『アオのハコ』『夜桜さんちの大作戦』などもキュートな女子高生が活躍する作品。変わり種として、『高校生家族』も挙げられるかもしれない。

現代の感覚からすると自然だが、かつての「ジャンプ」連載陣と比較すると、やはり女子高生の存在感がかなり強くなっている印象だ。しかもその要素がヒットにつながっており、新連載陣でも「あかね噺」と「ルリドラゴン」が高い人気を博している。

つまりはほとんどの「ジャンプ」読者は納得済みということだろうが、昔ながらの“少年漫画”ファンからは、《いつの間にかサンデーみたいなラインナップになってんな》《ジャンプが隠キャオタク向けになっていくのは見てられんわ》《最近のジャンプはマイナー路線目指してんのか》といった声も上がっていた。

時代によって変わってきた読者層

ではなぜ、「ジャンプ」で女子高生の存在感が増しているのだろうか。1つ挙げられるのは、読者の高年齢化という要素だ。

『花さか天使テンテンくん』を代表作にもつジャンプ作家・小栗かずまたは、ツイッター上で現在の「ジャンプ」読者の年齢層について言及。平均年齢が「28歳」だったとして、その驚きを語っていた。「テンテンくん」の連載が始まった24年前は、平均14.7歳だったそうなので、かなり高齢化が進んでいるようだ。

アラサーになった読者層に対して、フレッシュな魅力の女子高生キャラがウケることは想像に難くないだろう。編集部の指針としても、“萌え”のない無骨でストイックな漫画は避けるようになっているのかもしれない。

また、アラサーで「ジャンプ」を購読する層はある程度“オタク”的な好みがあるはず。だとすればそこで萌え系の作品がヒットするようになったのも、自然なことではある。

とはいえ、あまり方向性を絞りすぎると、新規の少年読者が入りにくくなることも事実。少年誌の王様は、このまま中年読者とオタク層に乗っ取られてしまうのだろうか。

文=富岳良

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