『呪術廻戦』作者・芥見下々に“鬼滅ブーム”到来中? 流行に媚びないホンモノのパロディ漫画

『呪術廻戦』作者・芥見下々に“鬼滅ブーム”到来中? 流行に媚びないホンモノのパロディ漫画

『呪術廻戦』20巻(芥見下々/集英社)

さまざまな作品のオマージュを盛り込んでいることでお馴染みの、芥見下々による漫画『呪術廻戦』。8月29日発売の『週刊少年ジャンプ』39号では、時期外れの『鬼滅の刃』ネタを披露し、パロディ作家としての“神髄”を発揮していた。

※『呪術廻戦』最新話の内容に触れています

呪霊化した禪院直哉と、禪院真希&加茂憲紀との戦いが激化する最中。第195話『桜島結界(5)』では、2人の謎の男が乱入してきた。1人は名もなき剣豪の受肉体、大道鋼(だいどう・はがね)。もう1人は相撲相手を求めて彷徨っていた河童男、三代六十四(みよ・ろくじゅうし)だ。

直哉との勝負が手詰まりになっていたことから、真希は咄嗟に自身の刀を大道に渡す。すると彼は真希以上に刀の実力を引き出し、直哉に痛恨の一撃を食らわせるのだった…。

勝負の行方も気になるところだが、それよりも読者の気を引いたのが、唐突なパロディ要素。大道が血眼になって刀を探しているシーンで、「DX日輪刀」が登場するのだ。言うまでもなく、これは『鬼滅の刃』の公式グッズであり、竈門炭治郎による「壱ノ型 水面斬り」のボイスが再生されるオモチャだった。

まさかのパロディに、読者たちは《DX日輪刀ほんま笑った、これ入れたくてキャラ作ったんか?》《DX日輪刀でめっちゃ笑ってしまった悔しい》《ザパァー!!とかじわる》と大盛り上がりしているようだ。

さらにこの騒ぎは、炭治郎役の声優である花江夏樹にも届いたらしく、ツイッター上で、「僕も呪術に出られるんですか…?」と反応していた。花江は「DX日輪刀」でもボイスを担当しているため、アニメ化の際には奇跡のコラボが実現するかもしれない。

呪術界でも空前の鬼滅ブーム?

なお、「呪術廻戦」の時間軸は現実よりも少し前の年代となっている。作中で「死滅回游」が始まったのは2018年11月であり、「鬼滅の刃」のアニメすら始まっていない時期だ。現実で「DX日輪刀」が発売されたのは、2020年10月のことだった。

そんな矛盾を作者本人も自覚していたようで、「ジャンプ」の巻末コメントでは、時間軸の齟齬を気にしないよう念押ししている。“時空の歪み”を生んでまでパロディしたかったと考えると、恐るべき熱意だろう。

前回のエピソードでも、煉獄杏寿郎の「命を燃やせ」のパロディが登場しており、芥見の中でマイブームになっている可能性も。世間ではすっかり“鬼滅ブーム”が過ぎ去り、『僕とロボコ』でもほとんどネタにされなくなっているが、そうした世間の風潮はどこ吹く風だ。

安易なブームに左右されず、あえて今「鬼滅の刃」を推す芥見は、パロディ作家として着実にステップアップしていると言わざるを得ない。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『呪術廻戦』20巻(芥見下々/集英社)

◆過去の「呪術廻戦」レビューはこちら

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