
『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)
原作を消化せず、日々アニメオリジナルのエピソードばかりを放送しているアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)。視聴者の中にはさすがにウンザリとする人も現れ始めており、悪い意味でアニメ『ONE PIECE』のようだと言われている。
※アニメ『名探偵コナン』の内容に触れています
1月21日に放送された第1070話『サプライズは悲劇のはじまり』も、アニメオリジナルのエピソード。とあるサプライズパーティーで起こった殺人事件を、コナンたち少年探偵団が解決していく物語となっている。
ボクと歩美ちゃん、光彦、元太で阿笠博士の友達のマンションに遊びに行ったら、下の階から女性の悲鳴が!
帰宅した女性が部屋の異変を感じ、護身用具のゴルフクラブを手に部屋の中に…
実はサプライズパーティーだったみたいなんだけど…!?TVオリジナル
「サプライズは悲劇のはじまり」このあとすぐ! pic.twitter.com/Tl1UAky1MC— 江戸川コナン (@conan_file) January 21, 2023
しかしその脚本のクオリティについて、ネット上では《動機とか犯行の手口、トリックとかありえないのが多すぎる。昔からやけど最近ひどい》《最近、アニメのコナン手抜き過ぎじゃない? 今日のってアニメオリジナル? 全っ然おもしろくないんやけど》などと不満の声が。
その一方で注目を浴びているのが、次回予告の部分だった。1月28日に放送される第1071話が、“原作回”になることが明らかとなったからだ。
第1071話『工藤優作の推理ショー(前編)』は、単行本99巻から100巻にかけて描かれた『TVで推理ショー!?』、『ショーの打ち合わせ』、『ショーはこれから』を映像化したもの。工藤新一の父、“工藤優作”をめぐる事件となり、原作ファンが楽しめる仕掛けがいろいろと仕込まれている。
巧妙な引き伸ばしで“ワンピース化”
そもそもアニメ「名探偵コナン」は、原作の消化ペースが遅いことでお馴染み。直近でいうと、2022年10月8日と15日に前後編で放送された『沖野ヨーコと屋根裏の密室』が最後の原作回だ。
そのため次週の「工藤優作の推理ショー」は約3カ月ぶりの原作回にして、2023年で初めての原作回ということになる。
原作ファンたちはその放送に歓喜しており、《げげげげ原作回! きたァァァァァ》《うおおおおおおおぉぉぉ原作回だ!》《次回は原作回だ。やったね、楽しみすぎる!》《やっと原作回だね! 嬉しすぎるよ…》と大反響が起こっていた。
せめてアニオリエピソードの質が高ければいいのだが、最近ではツッコミどころ満載の“カオス回”でお茶を濁すことが多い。そのせいで、なおさら原作ファンの不満が高まっているのだろう。
原作回が少ないというのは、それだけ本筋の物語が進まないということ。かつて、アニメの引き伸ばしといえば『ONE PIECE』を始めとしたジャンプ作品の専売特許だったが、今や「コナン」も同じレベルに到達しつつある。
文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ
■『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)