
人気作家がジャンプから卒業!? サンデー系列での新連載に驚き「移籍したのか…」 (C)PIXTA
『週刊少年ジャンプ』出身の人気漫画家として知られる田村隆平が、新連載『COSMOS』を発表した。ただ、掲載場所が集英社ではなく、小学館の『月刊サンデーGX』と『サンデーうぇぶり』だったため、ファンからは驚きの声が上がっている。
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「ジャンプ」からの卒業?
田村の最新作が始まったのは、4月19日発売の「サンデーGX」5月号。シン・SFエイリアンドラマと銘打たれており、第1話では人の嘘が見抜ける高校生・水森楓と、謎の女子校生・穂村燐の出会いが描かれている。
『COSMOS』(コスモス)、始まりました!!
楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願いします!(田村)第1話「未知との遭遇」、「サンデーうぇぶり」でも公開です。
どうぞ、お楽しみください!(担当)●第1話はコチラ
↓https://t.co/i6X2QvfEI0
#田村隆平 #新連載コスモス pic.twitter.com/3ciIJW5GK9— 田村隆平🪐新連載『COSMOS(コスモス)』公式 (@cosmos_tamura) April 18, 2023
ところで田村といえば、「ジャンプ」2003年45号でデビューした漫画家。初連載は2009年から始まったドタバタコメディ『べるぜバブ』で、アニメ化されるほどのヒット作となった。
それ以前に『ストーリーキング』や『天下一漫画賞』でも結果を残していたので、生え抜きのジャンプ作家と言えるだろう。
しかし「ジャンプ」には「〇〇先生の漫画が読めるのは週刊少年ジャンプだけ!」というフレーズで知られるように、専属作家契約が存在しており、他誌で作品を発表することについては制限がある。
つまり田村の最新作が「サンデー」系列に載ったということは、「ジャンプ」との契約が何かしらの形で更新されたと見ていいだろう。
この動きに漫画ファンたちも驚いており、《田村隆平サンデーで描いてんじゃん!》《田村隆平先生、集英社離れたのか…》《バイバイジャンプしてしまったか》《集英社から小学館に移籍したのか…ビックリした》といった声が続出している。
他誌に移ったジャンプ作家たち
田村は「べるぜバブ」以降、『腹ペコのマリー』と『灼熱のニライカナイ』という作品を連載したが、いずれも短期間で打ち切りになっている。
「ジャンプ」の漫画家は連載が3回失敗すると次の挑戦権を失う…という説がまことしやかに囁かれているため、看板クラスのヒット作ではなかった「べるぜバブ」を含め、“3アウト”だったという説も浮上しているようだ。
とはいえ、田村は4月1日に創刊された季刊誌『勉タメジャンプ』でも、『セベクちゃんは噛みつきたい』という作品の連載を始めている。集英社との関係が切れたわけではなさそうなので、3アウト説は成立しないかもしれない。
なお、田村にかぎらず、「ジャンプ」でヒット作を生んだ後に他誌へと移った漫画家は存在した。たとえば『幕張』で有名な木多康昭は、講談社の『週刊少年マガジン』に移籍し、現在は『週刊ヤングマガジン』の看板作品『喧嘩稼業』を手掛けている。
また、『ライジングインパクト』で根強い人気がある鈴木央は、その後『週刊少年サンデー』、『週刊少年チャンピオン』、『週刊少年マガジン』と次々に他誌でデビューを果たし、4大漫画雑誌を制覇。
とくに「マガジン」で発表した『七つの大罪』は、累計発行部数3,800万部を超える大ヒットを記録した。
ほかにも『弱虫ペダル』の渡辺航や、『あせとせっけん』の山田金鉄なども、もとはジャンプ作家だったが、こちらは「ジャンプ」では芽が出なかったパターンだ。
「ジャンプ」ではアンケート至上主義によって、連載作品でできることが限られてしまう側面がある。他誌でこそ才能が開花する漫画家も多いのだろう。
「COSMOS」が「べるぜバブ」を超えるヒット作になることを期待したい。
文=野木
【画像】
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