メタバースにバブル崩壊の兆し…『ホロライブ』運営の『ホロアース』に勝算はあるのか

メタバースにバブル崩壊の兆し…『ホロライブ』運営の『ホロアース』に勝算はあるのか

メタバースにバブル崩壊の兆し…『ホロライブ』運営の『ホロアース』に勝算はあるのか (C)PIXTA

ここ最近、世界的な『メタバース』ブームが下火となり、バブルが弾けそうな気配が漂っている。人気VTuber事務所『ホロライブ』を運営する株式会社coverは、メタバース事業に力を入れていることで有名だが、果たして成功できるのだろうか。

【関連】『ホロライブ』ついに開国!? 数年間避けてきた『にじさんじ』とのコラボが急増 ほか

世界的に下火になりつつあるメタバース

今年3月に東証グロース市場への上場を果たしたcoverだが、公式サイトで公開されている「事業計画及び成長可能性に関する事項」などを見ると、中長期的な戦略としてメタバース事業を見据えていることが分かる。

具体的には、2024年内のサービス開始を目指し、メタバースプロジェクト『ホロアース』を開発中。2010年代のVTuberやライブストリーミング文化が発展した先に、2020年代には「メタバースの社会現象化」が訪れることを予想しているようだ。

実際に今年に入ってからは、とくにメタバース事業の動きが活発化している。つい先日には、「ホロアース」の近況や今後のロードマップについての最新情報も発表された。

また「ホロライブ」メンバーの大空スバルは、4月27日からスタートした地上波音楽番組『MUSIC VERSE』(日本テレビ系)に出演。同番組はメタバース空間で収録を行うとのことで、「メタバース・ミュージックショー」と銘打っている。

現在のcoverは、日本を代表するメタバース関連企業になりつつあると言えるだろう。ところが最近では、欧米を中心にメタバースブームの終焉が懸念されているようだ。

「ホロライブ」のメタバース事業

たとえば2021年にフェイスブックから社名を変更したメタ社は、いち早く「メタバース」に目を付けていたことで有名。しかし2023年第1四半期の決算報告によると、「メタバース」開発などを担当するReality Labs部門で、日本円にして約5,000億円以上の営業損失が出てしまったという。

ほかにも数々の大企業が、メタバース事業で苦戦を強いられていることを窺わせる。ウォルマートはゲーミングプラットフォーム『ロブロックス』にてメタバース体験を提供していたが、わずか半年で終了。

また、ウォルト・ディズニーが「メタバース」の戦略開発に携わっていた部門を解散させたことも報じられている。

そうした惨状もあり、coverのメタバース事業を心配するファンも多いようだ。ネット上では、《ホロアースが始まったら即売却するわ。メタバースで成功してる所みたことない》《どんどんメタバースから企業が撤退してるけどホロアース大丈夫か?》といった声が上がっている。

ただ、その一方で《メタバース×IPビジネスのホロアース には若干期待してる》《VTuber世界ランキングの大半がいるホロライブのメタバースならファンは確実に入ってくるし行けそう》《ホロアースは日本で普及する可能性がある》と、「ホロアース」に期待する声も。

というのも「ホロアース」はVTuberとファンが交流するプラットフォームとなる予定で、VTuber人気に立脚して進められているプロジェクトだ。一部の企業のように実態がないまま盛り上がっている事業ではないため、勝算は十分にあるだろう。

3月27日には、『ガンダム』シリーズのメタバース『ガンプラコロニー』が開発中との発表も出ている。これからは、日本ならではのオタク文化を基盤としたメタバースが、世界のメタバースを牽引するのかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

scaliger / PIXTA

【あわせて読みたい】