
韓国産ゲーム『Lies of P』がフロムゲーに酷似?「ソウルライク」はどこまでオマージュを許されるのか (C)PIXTA
9月19日に発売されたソウルライクアクションゲーム『Lies of P』が、大ヒットを記録している。同作が配信されているSteamでは、現在7,700件以上のレビューが寄せられており、「非常に好評」を獲得しているほどだ。
しかしその作りが、あまりにもフロム・ソフトウェアの作品に“酷似している”として、批判的な目線を向けるゲーマーも少なくない。
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「ソウルライク」を突き詰めた新作ゲーム
「Lies of P」は、韓国のゲーム会社『NEOWIZ』から発売された新作ソフト。童話の『ピノキオ』をモチーフとしつつ、ベル・エポック時代を意識したゴシックホラーめいた世界観が表現されている。
Whether it is brimming with lies or purely the truth, once a tale has been told, it can never be silenced. What will be within the pages of your story? #LiesofP
The gates have opened. Lies of P is available now: https://t.co/HoEx3kIPBB pic.twitter.com/A5irU4588M
— Lies of P (@Liesofp) September 19, 2023
とくに注目が集まっているのは、そのゲームシステムだ。フロム・ソフトウェアの『ダークソウル』シリーズに影響を受けた、いわゆる「ソウルライク」ジャンルのゲームとなっており、攻略難易度の高さが大きな魅力となっている。
しかし実際にプレイした人からは、《本家と錯覚するレベル》《フロムに怒られそう》といった反応も…。
「ソウルライク自体はゲーム業界に広く浸透している形式ですが、同作はそんな言葉では片付かないほどに“フロム愛”が強い作品となっていますね。
世界観が『Bloodborne』(ブラッドボーン)に似ていることに始まり、戦闘システムやモーションは『ソウル』シリーズに影響を受けたことが一目で分かります。所持アイテムや敵表示のUIもよく似ており、黒い幕を潜り抜けてボス戦に突入する演出はフロムファンの誰もがデジャヴを覚えるでしょう」(ゲーム誌ライター)
クリエイターを駆り立てる「フロムゲー」の魔力
実際に「Lies of P」のプロデューサーは、インタビューなどで『ソウル』シリーズとフロム・ソフトウェア代表取締役社長・宮崎英高氏へのリスペクトを公言している。オマージュに満ちた作風も、自覚的な部分があるのかもしれない。
ある種アクションゲームの完成形とも言えるフロム・ソフトウェアの作品は、世界中のゲームクリエイターに影響を与えており、今でも「ソウルライク」なゲームが多数生み出されている。
昨年から今年にかけて『Steelrising』や『Bleak Faith: Forsaken』といった作品がリリースされたほか、10月13日には新たに『Lords of the Fallen』も発売予定だ。
「ただ、『Lies of P』の場合はあまりにもUIなどが『ソウル』シリーズに似ているので、“やりすぎ”だと感じる人が出てしまったのかもしれませんね…。
同じ現象でいえば、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』もゲームのフォーマットとして画期的すぎたため、多くのクリエイターに影響を与えました。miHoYoの『原神』はその代表的な例で、リリース当初は激しく物議を醸したものの、今ではすっかり受け入れられています。結局ゲーマーにとっては、面白ければそれでいいということでしょう」(同)
「Lies of P」も「ソウルライク」ゲームとしてトップクラスの完成度と評判を呼んでいるので、受け入れられるまでに時間はかからなそうだ。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
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