地元に戻らない=親不孝!?“子離れできない親”との向き合い方

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進学や就職、結婚をきっかけに親元を離れると、ふたたび親元に戻る際にはさまざまな問題が浮上する。一度築き上げた生活のすべてを手放さなくてはならないからだ。とある掲示板でも、母親から「地元に帰って来てほしい」と懇願されて悩む女性の書き込みが話題となっている。

投稿者の母親は、電車で2時間半、車で高速を使っても1時間かかる距離に住んでいるそう。もうすぐ70歳に差し掛かることもあり、一人暮らしの不安を吐露し、田舎での同居を打診している。投稿者は通勤時間が大幅に増えることや、頑張って築いてきたキャリアを棒に振ることなどから、母親に自分の住む土地へ引っ越してきて欲しいと伝えたという。

ところが、母親は住み慣れた土地を離れたくないと猛反発。「苗字を捨てて夫の姓にしたのが気に入らない」「薄情だ」と憤り、周囲には投稿者を親不孝な娘として触れ回っているらしい。

娘に同居を強制する母親の行動に、ネット上では《自分の思い通りにならない=親不孝という思考が危険。私なら親といえどもいったん距離を置く》《母親の気持ちも分からなくはないけど、子どもには子どもの生活がある。母親の余生より、自分の人生を考えるべき》《同居して欲しい母親が引っ越すのが最良。周りから何か言われたら、呼んでいるのに来ないのよ、でいいと思う》といった声が。

その一方、《本当に娘に面倒を見てもらいたくなったら、どこに住むとか揉めなくなる。そんな余裕なくなるから》《自分の意見を曲げないのは元気な証拠》などと、母親にはまだまだ余力があるという意見もあがっている。

老齢という理由を振りかざし、ワガママを押し通そうとするのは誉められる行為ではない。老いて子に従えという言葉もあるように、子どもの生活を脅かさない選択をした方が、お互いのためだろう。

親を“子ども離れ”させるための工夫とは?

コロナ禍により、離れて暮らす親との付き合い方も変化しているようだ。女性向けメディア『Spicomi』を運営する株式会社UOCCは、他都道府県に親がいる実家を持つ500人に「帰省行動アンケート」を実施。その結果、2020年から2021年にかけての年末年始に「帰省しない」と答えた人は67%。そして、「帰省しない」を選んだ人の毎年の行動について調べると、61.8%が「毎年帰省している」と回答している。つまり、普段なら帰省しているはずの約60%が、今回の年末年始に限って帰省を控えているのだ。

親元を離れて暮らす上で、定期的に帰省して顔を見せるという行為はとても重要。それすらできなくなると、より一層疎遠になってしまう。心配した親が、「同居しよう」と声をかけてくる可能性も高まるかもしれない…。

もしトラブルを避けたいなら、心の距離を保つために努力してみよう。たとえばスマホやタブレットを買ってあげれば、テレビ電話によって顔を見ながらじっくり話ができる。

また、「親を気にかけてあげている」という姿勢を見せるのも1つのポイント。最近では高齢者向けの見守りサービスがいくつも展開されているため、活用してみるのもいいだろう。たとえば株式会社ミマモリエの「ミマモリエ」というサービスは、フォトスタンドを通して親の活動状況や睡眠時間、室温などをモニタリングできる仕組み。日報が届くほか、異常を感知したり、親がコールボタンを押したりすると緊急メールが配信される。しっかりと親の健康状態を見守ってあげれば、文句を言われる機会が減るかもしれない。

こんなご時世だからこそ、お互いが安心して暮らせるように工夫したいもの。一方的に負担を負うのが嫌だという人は、たまには親に甘えてみてもいいのではないだろうか。

文=川崎かほ

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