『ハイキュー!!』作者の作品も… ジャンプマニアが執着する「不遇の名作」3選

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無数の大ヒット漫画を生み出してきた『週刊少年ジャンプ』だが、その陰で志半ばにして打ち切りとなる作品も多い。タイミングが悪かっただけで、別の時期だったらヒットしていたかもしれない…という不遇の名作も数多く存在する。今回はそんな知る人ぞ知る名作を、3つ厳選してご紹介しよう。

生まれてくる時代を間違えた名作たち

<その1>勘違いされた“名言”で有名な『ツギハギ漂流作家』
西公平の『ツギハギ漂流作家』は、2006年に「ジャンプ」で連載された作品。作中では未開の地ばかりの世界を舞台として、冒険の記録をまとめた「漂流録」の完成を目指す少年・吉備真備の活躍が描かれていく。

キャラの作り方や世界観には、『ONE PIECE』や『HUNTER×HUNTER』に影響を受けたと思わせる描写が満載。航海を伴う冒険や「命具」という道具を使ったバトルなど、少年漫画の読者にはたまらない内容となっている。

とくに一部のジャンプファンたちは、作者のワードセンスを評価している様子。というのも、同作には「何が嫌いかより 何が好きかで自分を語れよ!!!」という有名なセリフが存在するからだ。主人公の見た目が「ONE PIECE」のルフィに似ていたことから、ネット上ではこのシーンを使ったコラージュ画像が量産され、〝ルフィの名言〟扱いされるようになってしまった。

なお、連載時にはあまり人気が定着せずに、単行本3巻までと短命に終わっている。現在「ジャンプ」では「HUNTER×HUNTER」に強く影響を受けた『呪術廻戦』が大ヒットしているが、同じくインスパイア精神にあふれた同作も今連載すればヒットを期待できたかもしれない。

<その2>漫画好きの心をくすぐる『ノルマンディーひみつ倶楽部』
2000年から2001年にかけて連載された、いとうみきおの『ノルマンディーひみつ倶楽部』も、一部から熱烈な支持を集めている作品。漫画家を目指す「漫画倶楽部(クラブ・マングース)」の高校生を描いた学園コメディーだ。

同作は『バクマン。』のような漫画制作のノウハウがつまった漫画ではなく、あくまで漫画倶楽部の面々が繰り広げるコメディー展開がメイン。当時の「ジャンプ」では珍しく、文化部を中心とした物語だったため、読者層が限られていたという説もある。また、この時代には漫画=根暗・オタクといった偏見が強かったことも逆風となったのかもしれない。最近では『アクタージュ』など、文化系の色が濃い作品もヒットを飛ばしているため、作者は時代を先取りしすぎたと言えるだろう。

単行本の発行巻数は全5巻と短いが、ネット上では《すぐ終わっちゃったけど大好きな漫画でした》《「ノルマンディーひみつ倶楽部」大好き…アニメ化か実写映画化してください》《打ち切りと聞くと大好きだった「ノルマンディーひみつ倶楽部」のことを思い出して涙がにじむ》と思い出に浸るファンが多数存在する。

ちなみにいとうは、同作終了後も『グラナダ -究極科学探検隊-』や『謎の村雨くん』などを「ジャンプ」で連載。いずれも打ち切りとなったが、どの作品もコアな読者のハートを射止めてきた。