ジャンプが見捨てた才能…『シャーマンキング』作者・武井宏之の不運すぎる軌跡

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今年4月から、合計50本近くの新作アニメの放送が始まった。注目作の多い今期のアニメの中でも話題を呼んでいるのが、19年ぶりの完全新作『シャーマンキング』だ。同作の原作者・武井宏之は『週刊少年ジャンプ』を彩ったレジェンド作家の1人でありながら、さまざまな不運に見舞われてきた。本稿では、そんな武井の数奇な作家人生を振り返っていこう。

武井は仏教をモチーフにしたバトル漫画『仏ゾーン』をひっさげ、「ジャンプ」1997年12号にてデビューを果たした。同作は残念ながら単行本全3巻をもって打ち切り終了となったが、翌年にはその才能が開花。その後、熱狂的な支持を集めることになる「シャーマンキング」の連載が始まったのだ。

「シャーマンキング」は2001年にTVアニメ版が放送され、当時の「ジャンプ」では看板漫画に。しかしアニメが放送終了した後、物語が終盤に突入すると、作品の人気がみるみる下火になっていく。読者アンケートによって決まるとウワサされている紙面の掲載順も低迷するようになり、最後は打ち切りという形で終了を迎えた。

最終話では、未完を意味するミカンのイラストが描き込まれていることが話題に。また、武井は恐山アンナ役の声優・林原めぐみのラジオ番組に打ち切りを悔やむ手紙を送っていることから、よほど不本意な結末だったのだと窺い知れる。一時は「ジャンプ」を支える柱だった人気作品が、作者の考えていたエンディングを実現できないまま終了したのは、「ジャンプ」史上でも類を見ない事件ではないだろうか。

打ち切りだけでは終わらなかった「不運」

武井の不運は、さらに続くことになる。その後「ジャンプ」本誌で『重機人間ユンボル』を連載するも、全10話で打ち切りに。2011年からは『ジャンプ改』にて「シャーマンキング」のスピンオフ作品を発表していくが、同誌はわずか3年後に休刊。それに伴って、麻倉葉の息子・麻倉花を主人公とした『シャーマンキングFLOWERS』が連載終了となってしまう。

そこで手を差し伸べたのが、『少年マガジン』などでお馴染みの講談社だ。『少年マガジンエッジ』2018年6月号から、「シャーマンキング」シリーズの正統続編である『SHAMAN KING THE SUPER STAR』がスタート。さらには「シャーマンキング」完結版の発売やTVアニメ化など、ここにきて全盛期を思い出させるような盛り上がりを見せている。ちなみに移籍に伴って、現在は「シャーマンキング」自体の版権も集英社から講談社に移っているようだ。

武井の古巣である「ジャンプ」では、『鬼滅の刃』をはじめとして次々と大ヒット作を量産中。しかしほとんどの作品がすでに終了しており、現在の主力クラスである『呪術廻戦』や『僕のヒーローアカデミア』も、完結が近づいていることが示唆されている。数年後には〝氷河期〟突入も心配されている状況なので、編集部は「シャーマンキング」を失ったことを後悔しているかもしれない。

才能と実力を兼ね備えた漫画家にも関わらず、史上稀に見るほどの不運に見舞われてきた武井。「SHAMAN KING THE SUPER STAR」を納得のいく形で終わらせてほしいものだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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