『チェンソーマン』の世界には“太陽”が存在しない? カレンダーからは日曜日が消失…

『チェンソーマン』11巻(藤本タツキ/集英社)

『週刊少年ジャンプ』に掲載され、熱狂的な支持を集めた藤本タツキによる漫画『チェンソーマン』。同作は謎めいた世界観をもつが、第1部では細かな設定はほとんど説明されていなかった。そのため、多くの読者が壮大で魅惑的な謎解きへといざなわれているようだ。とくにネット上では、太陽の消滅をめぐるミステリーが大きな議論の的となっている。

そもそも基本的な設定として、チェンソーマンが食べた悪魔は世界からその名前の存在が消えてしまうという事実をおさえておこう。実際に作中では、日本人にとって馴染み深い「核兵器」や「第二次世界大戦」といった概念が消滅していた。

そこでブロガーのヒストール氏を発端に広まったのが、「かつてチェンソーマンが太陽の悪魔を食べてしまった」というウワサだ。一部の読者たちは、他の概念と同じように「太陽」が作中世界から失われたのではないかと考えている。

たとえば単行本9巻に収録された第71話『お風呂』では、デンジたちの住む早川家の様子が描かれていた。その壁にデンジやパワーの名前が入った掃除当番表が貼られているのだが、よく見ると〝日曜日〟の部分が存在せず、なぜか月曜日から土曜日までの予定表となっている。曜日とは、7つの惑星と対応した「七曜」の考え方に基づいているもの。日曜日はその内の太陽と対応するため、太陽の消滅に伴って消えてしまった…と解釈できるだろう。

同作では最後まではっきり太陽が登場したシーンはなく、ぼんやりとした星の光が描かれているのみ。また1巻・第7話『ニャーコの行方』では、日の光が苦手であろうコウモリが真っ昼間に空を舞っている。太陽がなくなったことで、さまざまな生態系に影響が出ているのかもしれない。

チェンソーマンは一体何を食べたのか

カレンダーに「日曜」が欠けていたことは、太陽消滅説の大きな根拠となっている。しかしその一方で、8巻・第70話『摘む』のワンシーンでデンジは「日曜は仕事が休み」だと発言していた。このセリフをもって、太陽が存在しているとする人も多いようだ。

しかし、これだけでは、他の描写の説明がつきにくいのも事実。辻褄を合わせるなら、他の人間は太陽を知らず、チェンソーマンと一体となったデンジだけが太陽の記憶を宿している…と考えることはできる。あるいは、週刊連載という激務の中で生じた作者のちょっとしたミスかもしれない。

さらに条件を厳密にするのも、1つの手だ。作中世界に日曜は存在するが、太陽は存在しないとするならどうだろう。カレンダーという論拠を失ってしまうものの、この説ならデンジの発言と矛盾が生じないはずだ。

普通の漫画であれば、太陽の消滅などという妄想じみた展開は考えがたい。だが「チェンソーマン」の世界観や、作者の藤本によるイマジネーションなら、真実味を帯びてくるから恐ろしい。今後連載される第2部で謎が解明されることに期待しよう。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ

■『チェンソーマン』11巻(藤本タツキ/集英社)

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