ヤンジャン新連載もアンチヒーロー漫画…“正義=悪”が流行るのはなぜ?

ヤンジャン新連載もアンチヒーロー漫画…“正義=悪”が流行るのはなぜ?

ヤンジャン新連載もアンチヒーロー漫画…“正義=悪”が流行るのはなぜ? (C)PIXTA

5月27日に発売された『週刊ヤングジャンプ』26号より、アンチヒーロー漫画『イビルヒーローズ』が連載を開始。アニメ化もされた『怪物王女』の作者・光永康則が原作を手掛ける注目作品だが、ネット上では《またアンチヒーローものか…》などと賛否両論の反響を呼んでいる。

「明白な英雄は正義ではない」という衝撃的なキャッチコピーが入った扉絵とともに、巻頭カラーを飾った同作。人類を脅かす「邪悪なるもの」(イビルズ)と、それらに唯一対抗できる「英雄」(ヒーロー)が戦いを繰り広げる世界で、主人公の少年・ヒデオが衝撃の真実を知り、物語は始まる。ヒーロー崇拝の危うさを描いており、次々と巻き起こるどんでん返しに惹きつけられた読者も多いようだ。

同作が公開されるとネット上では、《イビルヒーローズ、面白い! キャラ人気とかじゃなくてこういうのだよね、やっぱり》《めちゃくちゃ面白い導入だった。イビルヒーローズめっちゃ熱い》《結構良いんじゃないですか? 設定もすぐ呑み込めるし、暗いと言えば暗い作風だけど胸クソな感じもあまりない》《ヒーローの超パワーが民衆に向いたら怖いという、アメコミちっくな導入は割と好み》といった絶賛の声が寄せられている。

しかしその一方で、《なんか最近「ヒーローが実は悪」的な新連載おおくね》《イビルヒーローズ、何かいろいろと既視感すごい》《ヤンジャンでもアンチヒーローものが始まって草。一時期のデスゲーム漫画くらい流行ってるな》《ヤンジャンにもアンチヒーロー作品が載ってるのですがこれは一体…》などと既視感を指摘する声も多く見受けられた。

デスゲームの次はアンチヒーローもの?

一昔前まではほとんど見かけなかった「アンチヒーローもの」だが、ここ最近では次々と類似作品の連載がスタート。とくに『週刊少年マガジン』では今年2月に『戦隊大失格』、5月には『英戦のラブロック』の掲載が始まり、1つの雑誌内で飽和状態になっている。「イビルヒーローズ」も含め、これらはたんなるジャンル被りではなく、ヒーローという存在を主人公が疑い、敵対する…といった導入まで共通。多くの漫画好きは、「似たような作品が立て続けに登場してきた」という印象を抱いていることだろう。

これまでに「アンチヒーローもの」で大きくヒットした作品は少ないものの、真っ当なヒーローものとしては『週刊少年ジャンプ』の『僕のヒーローアカデミア』が思い浮かぶ。その一方で「ジャンプ」ではダークファンタジーの『チェンソーマン』や『呪術廻戦』が社会現象になるほど人気を集めているため、最近の流行りジャンルのいいとこ取りをしようとした結果、「アンチヒーローもの」に辿り着いたのかもしれない。

とはいえ同ジャンルの漫画が多ければ多いほど、ヒットを飛ばすのは難しくなるはず。何か工夫して独自色を出さなければ、一時の「デスゲーム」ブームで量産された作品たちのように埋もれていってしまうだろう…。「イビルヒーローズ」の飛躍に期待したい。

文=大上賢一

【画像】

Kostiantyn Postumitenko / PIXTA

【あわせて読みたい】