『ONE PIECE』ガイモン登場回は伏線?“ひとつなぎの大秘宝”を巡る異質な描写…

『ONE PIECE』ガイモン登場回は伏線?“ひとつなぎの大秘宝”を巡る異質な描写…

『ONE PIECE』99巻(尾田栄一郎/集英社)

人気漫画『ONE PIECE』を読んだ人なら、誰もが「ひとつなぎの大秘宝」の正体に想像をめぐらせたことがあるだろう。数々の考察がなされてきたこの問題だが、ネット上では「ガイモンのエピソードが伏線なのでは?」という説が出回っているようだ。

ガイモンは、作中初期の第22話『あんたが珍獣』に登場した人物。宝箱から体が抜けなくなってしまった元海賊で、大岩の上にある謎の財宝と島に住む珍獣を守るため、無人島で暮らしていた。ガイモンは宝箱に体がハマっているため、大岩に登れずにいたのだが、そこへ偶然ルフィたちが島に到着。しかし岩に登ったルフィによって、財宝が実は「空っぽの宝箱」だったことが明かされる。

このエピソードが謎めいているのは、連載開始から時間が経っていない時期に掲載されたという点。またその後もとくにメインストーリーと関わることもなく、単発の物語として忘れ去られている。よく知られているように、『週刊少年ジャンプ』では苛烈な打ち切りレースが繰り広げられているため、本来であれば連載初期には本筋と関わる話が描かれるはず。なぜここでガイモンのエピソードが描かれたのか、不思議に思ったことのある人も多いのではないだろうか。

しかし、ここで物事を逆に考えてみると謎が解けるかもしれない。つまり、ガイモンのエピソードは本筋からの脱線ではなく、むしろ作品のカギを握るものだったのではないか…と。

ガイモンは「ひとつなぎの大秘宝」の正体をほのめかしていた?

そうした視点からあらためてガイモンのエピソードを振り返ってみると、気になる箇所が浮上してくる。たとえばルフィは「空っぽの宝箱」を見付けた際、大笑いしていたのだが、これは後に描かれる海賊王ゴール・D・ロジャーの逸話とピッタリ合致していた。ロジャーもまた「ひとつなぎの大秘宝」を見つけた際、大笑いしたと言われているのだ。

とはいえ、ここから「ひとつなぎの大秘宝」も「空っぽの宝箱」だと結論付けるわけにはいかない。第576話『大海賊エドワード・ニューゲート』で、白ひげは「〝ひとつなぎの大秘宝〟は実在する」「あの宝を誰かが見つけた時 世界はひっくり返る」と断言している。作者の尾田栄一郎も、故・さくらももこ氏の著書『おめでとう』内の対談で「ひとつなぎの大秘宝」はルフィたちにとって、ご褒美になる物だと明かしていたため、正体が「空っぽ」ということはないだろう。

ガイモンのエピソードにおいてもう1つ気になるのは、最後にガイモンが放った「ワンピースはお前が見つけて世界を買っちまえ」というセリフ。この時点で「ひとつなぎの大秘宝」の正体は決まっていたはずだと考えると、金銭的な価値があるものだと示唆されているようだ。

その一方、「買える」と「変える」のダブルミーニングから、「ひとつなぎの大秘宝」が世界を変える存在であることの伏線ではないか…と考察する読者も。先に触れた「世界がひっくり返る」という情報と合わせて考えると、世界規模で影響を及ぼすような存在であることは間違いないだろう。

「ONE PIECE」には単発エピソードがほとんど存在しないため、ガイモンの話はかなり異質だと言える。果たしてこの話は何を意図して描かれたのか、謎が明かされる日は来るのだろうか…

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』99巻(尾田栄一郎/集英社)

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