『閃光のハサウェイ』大ヒットの理由は? 観客の目を引く“謎演出”を仕掛けた意味

『閃光のハサウェイ』大ヒットの理由は? 観客の目を引く“謎演出”を仕掛けた意味

『閃光のハサウェイ』大ヒットの理由は? 観客の目を引く“謎演出”を仕掛けた意味 (C)PIXTA

『ガンダム』シリーズでは異例の大ヒットを記録している映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。公開8週目にして興行収入20億円を突破したことも大きな話題を呼んだ。すさまじい勢いで歴史を塗り替えている同作だが、なぜここまで観客を熱中させているのだろうか?

「ガンダム」なのに女性ファンが多い理由

「閃光のハサウェイ」は、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で起こった「第二次ネオ・ジオン抗争」から12年後の世界を舞台にした作品。「ガンダム」シリーズの生みの親、富野由悠季が30年以上前に発表した同名小説が原作となっている。

主人公のハサウェイ・ノアは、腐敗した地球連邦政府を粛清するべく、反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーとしてテロ活動を行う人物。彼は政府官僚の顔を見るべく搭乗した「ハウンゼン356便」で、連邦軍大佐のケネス・スレッグや謎の美少女、ギギ・アンダルシアと出会うことに。奇妙な人間関係によって、運命が大きく変えられていく――。

こうして説明するとややこしい印象を受けるかもしれないが、時代背景などを除けば実にシンプルな作品。ハサウェイがテロ組織のリーダーという素顔を隠し、目的のために暗躍していくサスペンスだ。このストーリーのわかりやすさが、初めて「ガンダムシリーズ」に触れる人にウケたのだろう。

ストーリー以外にも、同作には新規ファンを取り入れる要素が多く揃っている。たとえばハサウェイの運命を大きく変えることになった、ギギとケネスという魅力的なキャラクターたち。ギギは妖艶な雰囲気を醸しながらも、子どものような一面を持つ不思議なヒロイン。ハサウェイは劇中で全く予想ができない行動をとるギギに振り回されるのだが、そんな主人公に自分を重ねて、魔性のような魅力に囚われてしまう人も多い。

また、ケネスも非常に魅力的なキャラクターであり、同作が女性に支持されている理由の1つ。見た目からしてクールな男性を体現したようなデザインだが、『テニスの王子様』の跡部景吾役などで知られる人気声優・諏訪部順一がCVを担当しているのもたまらない。

さらには3DCGと手描きを組み合わせた手法で、モビルスーツのクスィーガンダムとペーネロペーを見事に表現しているのも印象的。両機体は長年、造形の複雑さから映像化が不可能だと言われていたため、往年の「ガンダム」ファンからも好評のようだ。迫力のある戦闘シーンは、《シリーズで間違いなく1番》とすら評価されている。