『ガンダム』は風化しない!『エヴァ』『鬼滅』とは異なるコンテンツの力

『ガンダム』は風化しない!『エヴァ』『鬼滅』とは異なるコンテンツの力

『ガンダム』は風化しない!『エヴァ』『鬼滅』とは異なるコンテンツの力 (C)PIXTA

「ガンダム」シリーズといえば日本を代表するロボットアニメだが、2015年から2016年にかけて放送された『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を最後に、地上波アニメの新作は発表されていない。世間では「落ち目ではないか」という声も多いが、果たしてそれは真実なのだろうか?

落ち目という印象を生んだ背景としては、今年3月に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が歴史的大ヒットを記録したことが大きい。同作は「エヴァンゲリオン」シリーズの最新作にして完結編であり、興行収入100億円超という記録を打ち立てている。それに対して、「ガンダム」シリーズの最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の興行収入は累計20億円超。こちらも偉大な結果ではあるのだが、同ジャンルの作品として比較され、どうしても影が薄くなってしまった。

しかし興行収入がそこそこで落ち着いたのは、劇場限定で同作のBlu-rayが販売されていることが影響しているだろう。Blu-rayの売上は9万枚を突破しており、各劇場で売り切れが続出しているという。もし通常の上映方式だったなら、さらに興行収入が伸びていたはずだ。

そもそも20億円という数字は、邦画のヒットラインと言われている興行収入10億円を軽く超えている。さらに言えば、歴代ガンダムシリーズの最高興行収入である『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』の23億円を超えることも間違いない。女性の新規ファンが急増するきっかけになったことも、「閃光のハサウェイ」の画期的な点だ。こうして界隈を見渡してみれば、落ち目どころか、これまでにないほど未来が明るいことが分かる。

「ガンダム」はあと十年は戦える!

そして他のアニメにはない「ガンダム」の強みとして、『ガンプラ』も忘れてはならない。もともと大きな市場ではあったが、ここ最近自宅で過ごす時間が増えたことで「ガンプラ」ブームがさらに過熱。とくに海外人気が高く、フランスでの売上は50%増加している。もちろん国内でも需要が高まっており、転売が相次ぐ事態となっているようだ。

振り返ってみれば、テレビアニメ「機動戦士ガンダム」が初放送されてから今日まで40年以上が経過している。それだけ長きにわたって「ガンプラ」が制作されてきたのは、「ガンダム」がたんなる物語ではなく魅力的な世界観を提供する作品だったからだ。これほどまでに多様なコンテンツを誘発する作品は、世界広しといえどもそうそう見当たらないだろう。

同じ理由から、「ガンダム」の新作アニメにも大きな期待をもつことができる。「エヴァンゲリオン」が完結し、世間で一大ムーブメントを起こした『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』も人気が落ち着きつつある印象。いずれも物語を新たに展開することが難しいため、時間が経てば絶つほど昔の作品となっていく。

しかし「ガンダム」は地上波での新作こそないものの、永遠に新たなコンテンツが供給されるジャンルと言っても過言ではない。つい最近も、2000年代に一斉を風靡した『機動戦士ガンダムSEED』の新プロジェクトが始動したばかりだ。数十年後も支持され続けるアニメ作品は、やはり「ガンダム」の他に存在しないのではないだろうか…。

文=城門まもる

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