ホロライブ上場は成功するのか…にじさんじとの違いは“女性ファン”の存在

ホロライブ上場は成功するのか…にじさんじとの違いは“女性ファン”の存在

ホロライブ上場は成功するのか…にじさんじとの違いは“女性ファン”の存在 (C)PIXTA

VTuber事務所『ホロライブプロダクション』を運営するカバー株式会社が、東京証券取引所グロース市場への新規上場を承認されたことが明らかに。“スパチャ世界一”の人気VTuberを次々と生み出した業界の最大手だが、さらなる成功を掴むことができるだろうか。

絶好調の大手VTuber事務所が上場

カバーの公式発表によると、上場は3月27日に予定されているとのこと。今後もVTuberプロダクションの運営に加えて、メタバースサービスの展開など、IPビジネス市場での多様な展開を想定しているという。

「ホロライブ」には兎田ぺこらや宝鐘マリンといった登録者200万人を超える人気VTuberが所属しており、海外ファンが多くいることでも有名。登録者数や動画の再生数などに関しては、VTuber業界でダントツトップとも言われているため、大きな注目が集まっている。

同じVTuber事務所といえば、『にじさんじ』を運営するANYCOLOR株式会社も昨年6月に東京証券取引所グロース市場に上場し、大成功を収めている状況だ。

ちなみに当時ANYCOLORが発表した財務状況を見てみると、2022年4月期第3四半期までの売上高は、約101億5,900万円、純利益は20億5,900万円となっていた。

それに対して、カバーによる有価証券報告書では、2022年3月期の売上高が136億6,372万円、純利益が12億4,446万円という数字が記されている。売上額ではカバー、営業利益ではANYCOLORが上回っている関係性だ。

女性ファンの存在が成功を左右する?

両者についてよく指摘されているのが、収益モデルの違いだ。ANYCOLOR(にじさんじ)はカバー(ホロライブ)に比べて、YouTubeのスーパーチャット(スパチャ)の収益が少ないが、その分グッズ販売による収益が大きいと分析されている。

そもそも「にじさんじ」は“男女混合”を強みとした事務所であり、男性VTuberの人気では他社を圧倒している。そのため女性ファンの割合も多く、グッズ消費を促進しやすいファンコミュニティが出来上がっているのだろう。

それに対して、カバーは女性VTuberでは覇権をとったものの、男性VTuber事業は好調とは言い難い。すなわち女性ファンの獲得こそが今後の課題であり、成長の“伸びしろ”と言えそうだ。

上場をきっかけとして、「ホロライブ」も新たな変化を強いられるのかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

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