小学館「社外発信の予定なし」に、漫画家たち反応「最終決定ではないことを信じたい」「編集で納得してる人はいない感じ」

ドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の原作を手掛けた漫画家の芦原妃名子さんの急死を受け小学館が6日、トラブルの経緯を社外に公表しない考えを示したことに対し、漫画家たちが相次ぎ否定的な反応を示した。

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芦原さんは生前、ドラマ化に当たり、自身が望む脚本にならなかったとSNSで苦言を呈したものの、後になって投稿を削除した経緯がある。小学館は6日に開いた社員向けの説明会で、経緯を社外に発信する予定がないと明かした。その理由として、芦原さんがSNS投稿を削除したことを挙げ「故人の遺志にそぐわない」と説明していた。これに、漫画家たちは相次いでX(旧Twitter)で苦言を呈した。

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かつて小学館の『月刊!スピリッツ』で『重版出来!』を連載していた松田奈緒子氏は7日に投稿。「最終決定ではないことを信じたい。時間がかかっても経緯説明し、再発防止に取り組んでほしい」と望んだ。また、かつて小学館の『プチコミック』で『王様に捧ぐ薬指』を連載していたわたなべ志穂氏も同じく7日に投稿。昨年、同作がテレビドラマ化された際のやり取りを振り返り、「私の前で戦った編集さんがいる。私の代わりに矢を全部受けて。寄り添ってくれてた。確実に、全力で、守ってくれていたよ」と綴った。

一方、みずしな孝之氏はXで同日、小学館での打ち合わせに臨んだことを示唆し「どうしても流れでその話になってしまう。編集で納得してる人はいない感じ」「現場はがんばっている…!」と、会社上層部と社員の間で考えに隔たりがあることをうかがわせている。

小学館は8日になって「現在、調査を進めており、今後、再発防止に努めて参ります」とコメントをホームページに掲載。また芦原さんが連載していた『姉系プチコミック』編集部がある第一コミック局も「編集者一同」名義でコメントを発表。「これまで以上に漫画家の皆様に安心して作品を作っていただくため、私たちは対策を考え続けます」と記した。

『月刊Flower』(小学館)で『あらあらかしこ』を連載中の波津彬子氏は同日、Xで「上層部との調整のため、出すのに時間がかかったと聞いています。現場の人たちは頑張ってくれた」と、やはり上層部と現場に温度差があったことを示唆している。

参考:小学館 プレスリリース「芦原妃名子先生のご逝去に際して」

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